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サンタクルスデルキチェより

新卒青年海外協力隊員のグアテマラ生活

ごみ事情① ―ごみが生まれる―

 

派遣前にあった北九州での研修で、「ごみとは何か」という話題がでました。

それに、「人がつくりだすもの」と答えた隊員がいました(誰だったか忘れましたが)。

「え、」とおもった少し後に「なるほど。」と得心したのをよく覚えています。

 

 

 

 

 

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そんなゴミが生まれる主な場所の1つである、家庭と事業所(お店、工場、学校、ホテル等。公園や市場等の公共区域と、家庭を除いたすべての場所)を9月中旬から一軒一軒回っています。

(最近は来週からエクアドルで始まる環境管理に関する在外研修の準備で同行できていませんが。)

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自分の任地サンタクルスデルキチェ市では、市の条例で、市の廃棄物処理の主な管轄は自分の配属先である環境課ではなく、公共サービス課と定められています。

 

 彼が公共サービス課の課長。市の廃棄物処理や、環境教育について説明してくれました。

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9月中旬頃、彼が声をかけてくれ、公共サービス課が実施するゴミ回収サービスについての聞き取り調査に同行できることになりました。

 

サンタクルスデルキチェ市では、2009年に定められた条例により、全ての家庭、事業者は、市に認可されたゴミ回収業者の有料ゴミ回収サービスを利用しなければなりません。

 

 

以下細かい情報

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※現在市の認可を受けているごみ回収業者はEsperanzaとDel Valleの2社。以前はQSL(Quiché Siempre Limpio キチェをいつもきれいに)という会社も許可されていたが、他の市で回収したゴミを、サンタクルスデルキチェ市のゴミ処分場に捨てていたため、現在は市によって訴訟中。しかしながらいまだに市内の多くの家庭がQSLのサービスを利用中。

 

※ゴミ回収サービスの利用料金は、一般家庭であれば、大抵月額25〜30ケツァール(約300〜400円)。学校や大きな薬局は100ケツァール(約1,300円)、レストランやホテルは200ケツァール(約2600円)と規模が大きくなるほど利用料金があがる。

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公共サービス課の課長によれば、この有料ゴミ回収サービスの現在の利用率は、市の都市部において約50%(市の約10万の人口のうち、3割が都市部、7割が周辺のコミュニティや集落に居住しています。コミュニティや集落では、いくつかの地域を除いてほとんどゴミ回収サービスは機能していません)。

課は、このサービスを利用していない残りの50%の家庭や事業所による不法投棄を問題視しています。

 

 

そこで、市内都市部の全ての家庭、事業所に対して、ゴミ回収サービス利用についての聞き取り調査を実施することになりました。

 

 

 

 

 

聞き取り調査の実施内容は以下の通り。

①家庭、もしくは事業所を訪問

(2人の女性が実施。右は公共サービス課の職員で、左は大学のコースの一貫で公共サービス課で働いている大学生。といっても学校の先生として働きながら大学に通っています。回収業者の女性職員が同行することも)

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ほとんどありませんが、家のドアに、回収業者のシールを貼っている家庭もあります。

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②ゴミ有料回収サービスを利用しているか、質問。

・利用している場合

→支払い時の領収書を提示してもらい、業者名と領収書番号を控える

 

・利用していない、領収書を提示できない、サービスの利用について知っている人がそこに居ない場合

→市役所への呼び出し状を渡す。

 

・不在の場合

→呼び出し状をドアのすき間にさしこむ。

 

 

 

メガネ屋での聞き取り調査。ここは利用していました。 

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領収書の番号と業者名を控えます。

市の正式な認可を受けていないQSLのサービスを利用していました。

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約2, 3割が不在です。その場合市役所への呼び出し状を書いて、ドアの隙間に差し込みます。

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呼び出し状には、5日以内に、ゴミ回収サービス業者と契約し、領収書を持って、市役所の公共サービスにくるよう書いてあります。

写真のようにこちらの控え (上)と、渡す用 (下)と2枚書きます。

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この散髪屋では、市に認可されている回収業者でも、以前許可されていたQSLでもない、業者?に支払って、ゴミを回収してもらっていました。この場合も、改めて、許可されている業者と契約して、領収書を市役所にて提示するよう、呼び出し状を渡します。

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街にたくさんあるPACAと呼ばれる古着屋さん。ゴミ回収を利用しているPACAはありませんでした。店員によれば、ゴミはほとんど出ず、出たゴミは自宅に持って帰っているそうです。 

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ホットドック等を販売している常設の屋台。どの屋台もゴミ回収サービスは利用していませんでした。

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これまでそこで出たごみはどこへ行ったのでしょうか。

 

 

 

 

彼らは、市場や公園等、公共区域で出たごみを回収する市のトラックに、そこのゴミを捨てていました。

 

 

 

このトラックは、市場や公園で出る大量のゴミを回収していて、どこで出たゴミなのかは把握していません。

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当然条例違反なので、回収業者の連絡先がのったチラシを渡し、業者と契約後、領収書を市役所にて提示するよう、呼び出し状を渡します。

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街には、一街区に1つ、多い場所には3, 4つ、食料品や生活雑貨を取り扱う小さな商店があります。

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約半数の商店は、ゴミ回収サービスを利用していませんでした。

 

 

 

 

これまで彼らはそこで出るごみをどうしていたのでしょうか。

 

 

 

 

聞き取り調査をする職員の2人はあまりそれを聞きません。

 

 

 

 

 

 

環境課のカウンターパートによれば、近くの商店同士でゴミを合わせ、ホームレスにお金を渡し、不法投棄されている場所にそのゴミを捨ててくるよう頼んでいるところがあるそうです。

 

 

 

比較的小さめの不法投棄現場。これより大きい規模のものを含め、現在、市が把握しているもので都市部には37の不法投棄現場があるそうです。

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約5,000の家庭と事業者を対象とした、こうした聞き取り調査を、彼女たちは平日の2時から6時まで実施しています(大学生の彼女は4時まで)。

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彼女たちに同行させてもらい、少しずつ、ごみが生まれる現場の状況を知り始めました。

 

しかし、これらは市の3割の住民が居住する都市部の現状の断片です。

残りの7割の住民は周辺のコミュニティ、集落に居住し、都市部とは異なる環境のもと生活しています。そこでは都市部に近い一部の地域を除いて、ゴミ回収業者によるゴミ回収サービスは実施されていません。ゴミ回収トラックは入れない地域で暮らす人たちもたくさんいます。

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都市部とは異なった性質を抱えるコミュニティのごみ事情も少しずつ、知っていきたいです。コミュニティに住む同僚によれば、川へのポイ捨てが深刻だとか。

 

 

 

 

 

 

どこに住むにしろ、何をするにしろ、現状ここサンタクルスデルキチェで、ゴミを生み出さずに生活していくことはできません。

 

 

 

そんなゴミの存在を、日本にいた頃よりずっと強く感じながら生活をしています。

 

自分の職種柄当たり前ですが笑

 

ここに住む人達はゴミについてどう思ってるんでしょう。道に落ちているゴミが嫌だという話は割と聞きます。

 

 

 

 

 

次回は、生まれたごみはどこへ行くか書きます!

 

 

 

 

 

10月20日、木曜日、18時09分39秒

グアテマラ、キチェ県サンタクルスデルキチェ市、ホームステイ先の自室より

宇多田ヒカル新アルバムFantôme再生中、「荒野の狼」を聞きながら